感謝が始まるとき 苦闘は終わる。
~ニール・ドナルド・ウォルシュ
「どんな痛みでも脳で感じています」
長引く痛みでつらい思いをされているのは、
脳の扁桃体の暴走が止まらないことが、根本的な理由。
骨盤を矯正しようが、筋肉や筋膜の緊張を緩めようが、
痛み止めのお薬や注射、手術でヘルニアや変形などの異常なところを取り除こうが、
この扁桃体の興奮が穏やかにならないと、結局は、症状をぶり返したり、期待したような効果がでません。
そればかりか余計にひどくなっちゃうこともあります。
逆もまた真なり。
上記の治療方法に限らず、どんなアプローチでも、
「よかった~、これでよくなる!」というような
期待感が高まったり、将来への不安や痛みに対する恐怖感が解消されることで、症状は改善していきます。
実際に
治療をする・しないに関係なく、ネガティブな診察をしたグループとポジティブな診察をしたグループでは、改善率に有意に差がある。
という研究結果も出ています。(Thomas KB : BMJ , 1987)
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① ネガティブアプローチ
a、治療群 改善率 42%
b、無治療群 改善率 36%
② ポジティブアプローチ
a、治療群 改善率 64%
b、無治療群 改善率 64%
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つまり、
回復にもっとも大きな影響を与えているのは、
治療そのものの効果よりも、患者に対する医師やセラピストの関わり方
というわけ。
患者さんの不安や恐怖をあおるような説明や治療は、かえって回復を妨げ、治癒を遅らせることになるのです。
それくらい「心理・社会的要因」の影響力はとても大きいのです。
(…だからこそ、根拠のたしかな情報で、安心と勇気を届けることが大切なんですねぇ…)
そんな不安や恐怖に反応する、扁桃体の興奮を抑えてくれるのが、側坐核やDLPFC(左背外側前頭前野)といわれる部分。
この脳の報酬系といわれる仕組みを、いかに元気にするか!? 活性化させるか!?
これが、根本的な改善を左右する大きなポイントなわけです。
~ 今日からできるこころのトレーニング ~
感謝日記を書く
今日一日を振りかえって 「ありがたいな~」 と感じることを書き出してみましょう。
ハーバード大学での研究では、一日に3つ、これを21日間 継続することで脳の報酬系の働きが元気になってくる。
そんな結果も出ています。
書き出したら、もう一度 その出来事を思い出しながらじっくりと感謝の気持ちを味わってみましょう。
些細なことへの感度を高める
感謝日記のコツは、大きな刺激にだけ目を奪われないこと! 小さなこと、しょぼいことを見逃さないこと! です
人の脳は「順応」 いわゆる慣れが生じます。
はじめは「ありがたい」と心が動かされたことでも、慣れてしまうと、「当たり前」になってしまいます。
痛みが長引きやすい人は、感謝への感度が鈍りがち。
「朝起きられた」「仕事に行けた(働ける場がある)」「ご飯が食べられた」とか
「心臓が動いている」「呼吸ができている」など
当たり前になっている些細なことにも、感謝を見つけられるようになる。
感謝への感度が高まるにつれて、報酬系の働き・鎮痛のチカラも強くなっていきます。
今この瞬間は、喜びと幸せに満ちている。 注意していればそれが見えてくるだろう。
~ティク・ナット・ハン
始めは難しいかもしれませんが、日々「意識して探す」「見つけて書き続ける」ことが大切。 トレーニングですからね
007「体を動かしてみよう!」へ続く